ほおずきの上生菓子

 

ほおずきは、漢字では、一般的に「鬼灯」「鬼燈」と書きます。最初は緑色をしていた実は、8~9月頃に真っ赤に色づきます。赤い色は夏の雷除けであり、また、その形から死者の霊を導く提灯に見立て、お盆に仏花として飾られます。根には薬効があり、「酸漿根(さんしょうこん)」という生薬名がついています。上生菓子の主題としても人気で、写実的に実の形をかたどり、緑、黄色、橙色、紅色などの色を絶妙に混ぜ、色づいていく姿を写した意匠が一般的です。またへたの部分をいろいろな素材で代用される点も見所で、松葉、乾燥茶葉や茎、乾燥昆布、ごぼうの甘煮など職人さんの柔軟な発想が伺えます。