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「川崎屋東照」さん

 

今日は新規開拓の和菓子屋さんを紹介します。

 

神奈川県川崎市にある、100年以上の歴史を誇る「川崎屋東照(かわさきやとうてる)」さんです。

 

創業は大正2年で、旧東海道沿いに店舗を構えています。

 

 

 

東海道五十三次の川崎宿の近くにあり、「旧東海道」という石碑の立つ四辻に面した好立地のお店です。

 

最近改装されたのか、ガラス張りの明るい店内に、真新しいショーケースが整然と並べられ、美味しそうな和菓子がずらりと並んでいます。

 

 

人気商品はどら焼きで、つぶ餡、小倉バター、シュガーバターの他に、季節ごとの変わり餡があります。

 

今の時季は、神奈川県の特産品「湘南ゴールド」を素材に取り入れたスペシャルな餡となっています。

 

 

湘南の青い海を背景に、みかんを描いた爽やかな包装袋が一番に目に留まり、迷うことなくこれを購入しました。

 

 

職人さんが毎日一枚一枚丁寧に焼いた皮がとても美味しく、ふっくら柔らかいのに、ほどよい弾力があり、その絶妙な食感に技術の高さを感じました。

 

「湘南ゴールドどら焼き(しょうなんごーるどどらやき)」:川崎屋東照

 

湘南ゴールドの果肉と皮を煮上げ、特製白餡に練り込んでいます。柑橘のさわやかな香りと、甘酸っぱい酸味が見事に調和した、夏にぴったりのどら焼きに仕上がっています。

 

 

「湘南ゴールド」というのは、神奈川県でのみ栽培されている柑橘類の品種です。 

 

昔、神奈川県西部のとある海岸沿いでのみ栽培されていた幻のオレンジとも言われる「ゴールデンオレンジ(黄金柑)」 という品種がありました。 

 

1回食べればやみつきになる、知る人ぞ知るオレンジ でしたが、あまりにも小さくて食べにくく、でこぼこしていて見栄えも悪い。さらに、生産量も極端に少なく、ほとんど市場に出回ることのない幻のオレンジでした。


これに今村温州みかんをかけあわせ、改良してできたのが湘南ゴールドなのです。 

 

 

 

さてさて、メインテーマの上生菓子の話題に移りましょう。


こちらの上生は、常時3〜5種類用意されているそうですが、今回は三種類あり、すべて煉切製です。

 

 

「なでしこ」煉切製:川崎屋東照

ピンクと白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技でなでしこの花をかたどり、中央にさいの目に切った錦玉を配したお菓子です。

 

 

「夏菊(なつぎく)」煉切製:川崎屋東照

黄色と白と橙色にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技で菊の花をかたどり、中央に黄色い煉切製のシベを配したお菓子です。

 

 

「いるか」煉切製:川崎屋東照

ピンクと白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技でいるかをかたどり、羊羹で目を描き、丸い小さいレンズ状の錦玉で水しぶきを表したお菓子です。

 

 

 

職人さんの手の温もりまで感じられるような、味わい深い手技の造形、菊の絶妙なぼかし技法、上生菓子のモチーフとしては珍しい「いるか」の斬新な意匠など、東照さんならではの煉切ワールドを堪能しました。