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「いちりん」さん

 

今日は、大阪の台所・黒門市場のすぐ近くにある「旬菓 いちりん」さんを紹介します。

 

2012年8月に創業したばかりのまだ新しい和菓子屋さんです。

 

女性オーナーと若い職人さんの二人で切り盛りしている小さなお店ですが、伝統的な上生菓子から洋菓子の要素を取り入れた創作菓子まで丁寧に作られています。

 

「旬」「素材」にこだわったお菓子創りがモットーだそうですが、「旬菓」という店名にもそのこだわりが込められています。

 

 

今回は、栗饅頭「栗凛(くりりん)」、どら焼き「いちどら」と上生菓子2種類を購入しましたが、ふわふわの生地と、バランスの良い餡がとても美味しかったどら焼きが一番印象に残りました。

 

「いちどら」:いちりん

 

いちりんさんのどら焼き生地には隠し味に、はちみつと醤油が入っています。

 

 

焼印は、お店のこのシンボルマークにちなんだものです。

 

 

刻み栗の入ったつぶ餡と、厚みのあるふかふかの生地との比率がベストバランスで、満足の逸品でした。

 

 

さてさて、本題の上生菓子は、今まさに旬のこの二趣です。

 

「つつじ」きんとん製:いちりん

緑色に染めたきんとんを小豆つぶ餡の芯につけ、さらに、紅白にぼかし染めたきめの細かいきんとんを、開きかけた花のように緑の間につけたお菓子です。

 

目の細かいすいのうで漉し出したきんとんの繊細な美しさが目を引きます。

 

こんもり茂った葉の間から、紅色のつつじが可憐な姿をのぞかせているさまを、素直に意匠に生かした一品です。

 

 

「花菖蒲(はなしょうぶ)」煉切製:いちりん

淡い紫色と白にぼかし染めた煉切生地の上部に黄色の煉切をのせ、小豆こし餡を包み、茶巾絞りにして花菖蒲を表したお菓子です。

 

よく似た色や形になりがちな花菖蒲の意匠ですが、上部に重心をおいた腰高の造形に独自性が見られます。

 

 

 

オープンしてまだ6年目の若いお店ですが、基本に忠実な上生菓子の安定した美しさ、新しい和菓子作りへの挑戦の姿勢など、今後の活躍に期待できる良店です。