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流し雛(塩野)

 

3月3日は「上巳(じょうし)」と言われ、厄を人形に移して祓った「流し雛」の風習がありました。 

 

それが発展して、雛人形を飾り女の子の健やかな成長と幸せを願う現在の「雛祭り」となったそうです。

 

「流し雛(ながしびな)」煉切製:塩野 

水色と白にぼかし染めた煉切を小田巻(おだまき)を使って麺状に加工したものを、黄身餡を芯にして巻き集めます。さらに、紅色に染めた羊羹を三角形に切ったものをのせ、流し雛に見立てたお菓子です。

 

このお菓子のポイントである、麺状の煉切は、「小田巻」という道具を使って作ります。 

 

これは、簡単に言えば注射器のような道具で、円筒形の筒(シリンジ)と、可動式の押子(おしこ)が主な構造です。

 

筒の先に小さい穴があいていて、筒の中に餡を入れて、押子で圧力をかけて押し出すと、先の穴から餡が細い麺状となって出てくる仕組みです。洋菓子のモンブランを作るときにも同じ原理が用いられます。

 

穴の数は1個のものから、複数のもの、穴の大きさも小さ目、大き目のものと、筒先のパーツを変えることで調整できます。 

 

「おだまき」とは本来、つむいだ麻糸を巻いて玉にしたものの名前ですが、この名前から転じて道具の名称になったと考えられています。

 

今日は素敵な雛祭りをお過ごしください。