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冬ごもり(花見)

「冬ごもり(ふゆごもり)」煉切製:花見 

黄色に染めた煉切を小田巻を使って麺状に加工したものを、小豆こし餡を芯にして、皿状に巻き集め、鳥の巣に見立てています。茶色い二本の棒は鳥が巣に持ち帰った枝や枯草を、紅白の繭状の玉は卵を表しています。 

 

 

「冬ごもり」とは、「冬籠」とも書き、人や動物が、冬の寒い間、家・巣・土の中などにこもって過ごすことをいいます。 

 

本来、この言葉は草木が冬になって葉を落とし、その精気が地中深くもぐることを意味する季語だったそうです。 

 

それが、人の生活に転化され、寒風や雪によって活動の自由を奪われた人が家に閉じこもることを意味する言葉になりました。 

 

寒さ厳しい今の時期に、とても温かみのある色あいと意匠で、ホッとするお菓子ですね。 

 

あらゆる生命が誕生する春に向けて、冬はその大切な準備期間です。来年、無事にひよこが生まれますように、祈りながらいただきました。