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鹿の子総集編

 

鹿の子とは、求肥や羊羹などを芯にして餡玉をつくり、その周りに豆の蜜漬けを隙間なくつけたお菓子です。 

 

使われる豆は小豆や金時豆、うずら豆、うぐいす豆、ささげ(大角豆)、花豆などいろいろあります。硬めで形の整ったものであれば豆でなくてもよく、栗を使った栗鹿の子もあります。 

 

 

今日は、いろいろな豆を使った鹿の子や、鹿の子に手を加えて作った様々な上生菓子をお届けします。

 

 

「鹿の子(かのこ)」鹿の子製:つ久し 

大納言小豆の鹿の子です。つやを出すために、仕上げに寒天をかけています。 

 

 

「虎豆かのこ(とらまめかのこ)」鹿の子製:大倉山青柳 

珍しい虎豆を使った鹿の子です。虎豆とはインゲンマメの一種で、虎柄に似た独特な模様が特徴。

 

 

「うぐいす豆鹿の子(うぐいすまめかのこ)」鹿の子製:龍月

うぐいす豆(青えんどう)を使った、緑色が美しい鹿の子です。

 

 

「福寿(ふくじゅ)」鹿の子製:東宮

 粒が大きい紫花豆の鹿の子です。

 

花豆とは「べにばないんげん」のことで、豆粒がとても大きいのが特徴です。赤い花のものは紫地に黒の斑が入っていて紫花豆と呼ばれ、白い花のものは白花豆と呼ばれています。

 

 

「鹿の子」鹿の子製:三鈴 

小豆とうぐいす豆をミックスした鹿の子です。

 

 

「栗鹿の子(くりかのこ)」鹿の子製:とらや 

栗の蜜漬けを付けた鹿の子です。

 

 

「大納言鹿の子(だいなごんかのこ)」鹿の子製:松むら

中に、求肥と栗が入った贅沢な鹿の子です。

 

 

「若竹(わかたけ)」鹿の子製:三省堂 

煉切製の竹の葉と金箔を添えています。 

 

 

「かのこ」鹿の子製:立田野 

まだ若い緑の松の実を写した煉切を添えています。葛で全体をコーティングしています。

 

 

「下萌え(したもえ)」鹿の子製:柏屋 

求肥を芯に入れたこし餡を餡玉にし、そのまわりを蜜煮した丹波産大納言小豆で敷き詰めるように包みます。さらに、つや寒天をかけ、緑色、黄色、桃色、白に染めたそぼろを添えたお菓子です。

 

 

「ねこ柳(ねこやなぎ)」鹿の子製:文の助茶屋 

猫柳の花穂をひとつ添えています。 

 

 

「つくし」鹿の子製:一炉庵 

求肥を芯にして、そのまわりに白小豆こし餡をつけ、できた餡玉の外側全体に形の整ったうぐいす豆の蜜漬けを隙間なくつけます。さらに、各豆の上に、雪に見立てた淡雪羹をちょんちょんとのせ、羊羹で作ったつくしを添え、氷餅を散らしたお菓子です。

 

 

「栗かのこ(くりかのこ)」鹿の子製:船橋屋 

丹波の新栗を蜜漬けにして、黄身餡玉の表面に付けます。さらに、中心部に橙色と白にぼかしそめたそぼろを添えています。

 

 

「落し文(おとしぶみ)」煉切・鹿の子製:文銭堂本舗 

大納言鹿の子を煉切で作った葉っぱで包んでいます。 

 

 

「ほたる」鹿の子製:栗山 

虎豆鹿の子の上に、透明な細長い錦玉羹、緑の棒状の羊羹、栗の蜜煮、赤の煉切をのせ、水辺に飛び交う蛍の光景を写しています。

 

 

「岩泉(いわいずみ)」鹿の子製:文銭堂本舗 

渦を巻く泉は、求肥と羊羹で作ったものです。 

 

 

「虫の音(むしのね)」鹿の子製:一炉庵 

白小豆の鹿の子の上に薄黄色に染めた淡雪羹をまるくかけ、細長い羊羹製の葉を添え、虫に見立てた黒胡麻をのせたお菓子です。

 

 

「紅葉(もみじ)」鹿の子製:亀屋万年堂 

煉切製の紅葉を一枚添えています。

 

 

「紅葉山(もみじやま)」鹿の子製:森八 

羊羹製の紅葉と、滝に見立てた錦玉羹を配しています。 

 

 

「銀杏(いちょう)」鹿の子製:彩花苑 

黄金色に色付いた葉と、まだ青いいちょうの葉を添えています。

 

 

「いちょう」鹿の子製:大倉山青柳 

薄い短冊状の羊羹で鹿の子を囲うように巻き、中央に黄色い煉切製のいちょう葉をのせています。 

 

 

「初雪(はつゆき)」鹿の子製:坂根屋 

出雲産の大納言小豆の鹿の子に淡雪羹をかけ、初雪の風情を表現したお菓子で、中は白こし餡です。 

 

 

 

どの鹿の子もつやつや、ぴかぴかで、とても美味しそう。豆好きにはたまらないラインアップですね。