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寒椿(東宮)

今日は寒椿(かんつばき)が主題の上生菓子を紹介しましょう。 

 

厳寒の時期に咲く寒椿を見ると、気持ちが和み元気をもらえますよね。

 

寒椿は、別名冬椿(ふゆつばき)や早咲き椿とも呼ばれますが、2種類あります。

 

中国原産の純粋な寒椿と、山茶花(さざんか)と寒椿の交雑種である寒椿群です。

 

純粋な寒椿は、ツバキ科ツバキ属で、12月〜2月に花を咲かせます。品種は少なく、「獅子頭」と呼ばれる品種が有名です。

 

寒椿群は山茶花の一種して扱われていて、日本では寒椿群が一般的でよく見られます。学名は山茶花と同じカメリア・サザンクワになります。交雑種のため、花期も山茶花より遅く、寒椿より早い11月〜12月が開花の最盛期です。品種は多く、「勘次郎」と呼ばれる品種が有名です。

 

寒椿と寒椿群のどちらも一重咲きのものは少なく、八重咲きや千重咲きの品種が多く、こぼれる落ちそうなくらい沢山の花びらをつけるものもあります。

 

いずれの寒椿にしても、雪の寒さの中で華やかに咲き誇る姿は、実に堂々としていて頼もしいですね。

 

「寒椿(かんつばき)」煉切製:東宮 

紅色と白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み茶巾絞り風に仕立て、花芯に見立てた黄色い筒状の煉切を添え、寒椿を写したお菓子です。 

 

オーソドックスな意匠ですが、白いぼかしは花びらに積もった雪を写しているように見えます。