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干柿総集編

 

「和菓子の甘さは干し柿を以って最上とする」といわれる程極上の甘さをもつ干し柿は、まさに“天然の和菓子“といえますね。 

 

果物の甘さの基準としては、糖度という指標があり、甘い果物の代表、バナナ(黄色く熟したもの)で20〜25度くらいです。

 

柿は通常15〜20度程度の糖度を含んでいますが、干し柿にすると40〜70度にまで上がるといいます。この糖度は、練り羊羹に匹敵するくらいの甘さだそうです。 

 

砂糖が貴重品だった昔、干し柿の周りの白い粉(実の部分の糖分が結晶となったもの)を集めて砂糖の替わりにした時代があり、ここから和菓子の甘さの基準に干し柿が使われたという説もあります。

 

また逆説として、「干し柿の甘みを超える事なかれ」、つまり、これを超えると下品な甘さになってしまうという基準だとも言われています。

 

 

干し柿をテーマにした各店の上生菓子を集めてみました。

 

上生菓子で干し柿を表現する場合、人気の素材は求肥や外郎などの餅系の生地です。また、干し柿の特徴である、粉ふきは、落雁粉や氷餅粉、和三盆糖などで表現することが多いです。

 

 

「干柿の里(ほしがきのさと)」餅製:大倉山青柳 

中は干柿餡、まわりは羽二重餅で作られています。 表面にきめの細かいみじん粉をまぶしています。 

 

 

「祇園坊(ぎおんぼう)」求肥製:とらや 

柿の品種名である祗園坊から菓銘がついたと考えられています。天保11年(1840)に初めて創作されたお菓子です。

 

さすがとらやさんですね。作りが精巧で完成度が高いです。中のねっとりした飴餡と、表面の和三盆糖の上品な甘さの相性が抜群! 

 

 

「ころ柿(ころがき)」求肥製:ちもと 

求肥生地で小豆こし餡を包みまるめ、特徴的な溝を縦に刻み、氷餅を全体にまぶし、中央に朱色の煉切の粒を添えています。

 

 

「ころ柿(ころがき)」求肥製:塩瀬総本家 

求肥生地で小豆こし餡を包みまるめ、全体に落雁粉をまぶし、枯れ色に染めた煉切製のへたを添えて干し柿を写しています。 

 

 

 

「古露柿(ころがき)」求肥製:みのや本店 

煉切で作った存在感のある蔕(へた)が特徴です。全体に氷餅粉をまぶして粉ふきを表現しています。 

 

 

「干柿(ほしがき)」求肥製:みのや本店 

上と同じくみのや本店製。こちらは、あんぽ柿を表現しているようですね。ころ柿は水分が25〜30%程度に対して、あんぽ柿は50%程度の干し柿で、水分が多い分、ころ柿よりも実も大きく、柔らかく、橙色も濃いのが特徴です。 

 

 

「ころ柿(ころがき)」求肥製:もみぢ 

求肥で餡を包み、全体に粉砂糖をまぶし、粉をふいた干し柿を写したお菓子です。へたは、枯れ色に染めた煉切製で黒文字で留めています。