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野路菊(一炉庵)

「野路菊(のじぎく)」鹿の子製:一炉庵 

白こし餡を芯にした虎豆鹿の子の上に淡雪羹をかけ、煉切製の菊花と羊羹製の葉を配したお菓子です。 

 

虎豆とはインゲンマメの一種で、独特な模様が特徴です。 白地を基本としながら、へその周囲に濃黄褐色と淡黄褐色の斑紋が入っていて、この模様の入り具合が虎柄に似ていることから、虎豆と呼ばれています。 煮上がりの美しさ、味の良さで「豆の王様」ともいわれる高級素材です。

 

 

野路菊は、日本原産の野菊の1種で、有名な植物学者・牧野富太郎氏が発見・命名しました。 

 

西日本の海岸寄りの山の麓や崖に自生し、野生とは思えない可憐さがあり、主流の白のほかに、黄色を帯びるものもあります。 

 

中心部の黄色いシベのように見える部分も花で、筒状花といいます。その周りの白い花びらは舌状花といいます。

 

開花時期は10月下旬から11月頃です。 

 

野路菊の花色は通常、白か黄色ですが、このお菓子は夕焼けにほんのり染まったような淡いピンク色です。 

 

香り高く気品がある花ですが、潮風に吹かれながら、崖の上でたくましく咲く姿には野生の力強さも感じられますね。

 

 

野路菊