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菊の雅(鶴屋吉信)

「菊の雅(きくのが)」こなし製:鶴屋吉信 

橙色とピンクにぼかし染めたこなしで白こし餡を包みまるめ、手技で菊花をかたどったお菓子です。中央にしべに見立てた黄緑色のそぼろを添えています。 

 

 

こなしや煉切製の上生菓子は大きく分けて、竹べらや布巾などの小道具を利用して手づくり(手技:てわざ)で成形していく「手形もの」 と、いろいろな形に彫刻した木型を使って、押し抜いて作る「型抜き」があります。 

 

この菊のお菓子は、へらの角を立ててくっきりと放射状に筋をつけ、花びらを一枚ずつ丁寧に刻み込んで作られます。 

 

熟練した職人さんの力量が見事に発揮される和菓子製造技術の華ともいわれるものです。 

 

上品で優雅な洗練された菊を表現するのに正にぴったりの技法ですね。