「乱菊(らんぎく)」こなし製:両口屋是清
真っ赤に染めたこなし生地で小豆こし餡を包み、木型にて押し抜き、黄色い花芯を付け、花弁が乱れたように咲いている菊花を写したお菓子です。
乱菊とは菊の品種の名前ではありません。
長い花びらが入り乱れて咲いている菊の花の様子を形容した言葉で、乱れ菊(みだれぎく)とも言います。
和菓子の意匠ばかりでなく、家紋や着物・帯の柄などにもよく用いられる題材ですね。
乱菊家紋 (出典:ステンシル京都)
乱菊模様が織り込まれた帯(出典:楽天市場)
伸び伸びと勢いのある花びらが、大胆かつ繊細に配置された見事な木型のお菓子ですね。
380年の歴史を誇る両口屋是清さんにおいて代々伝わるいにしえの木型に、現代の和菓子職人さんが熟練の技を吹き込むと、たちまちにして当時の逸品がよみがえる様はほんとうに圧巻です!