「色づき（いろづき）」外郎製：花見
橙色に染めた外郎生地で、柿餡を包みまるめ、緑色に染めた煉切製のヘタをのせ、色づき始めた柿の実を写しています。
熟柿をペースト状にし、じっくりと炊き詰めて作った濃厚な柿餡がポイントのお菓子です。
手技（てわざ）で作り上げたヘタの造形も見事ですね。
「和菓子の甘さは干し柿を以って最上とする」という言い伝えがあります。
これは、”美味しい和菓子の甘さの条件として、干し柿の甘さがベストである”という意味で、それより甘さが足りなくてもダメだし、甘すぎると下品な甘さになってしまうというものです。
人が好む、心にも体にも心地よいと感じる甘さは、昔から干し柿が基準になっているのですね。
このように、柿と和菓子は切っても切れない関係にあるだけあって、秋の上生菓子のテーマとして、栗とともに最もよく取り上げられるもののひとつです。
今年の秋はどんな柿のお菓子に出会えるか、楽しみですね！
