· 

あけび(栗山)

「あけび」煉切製:栗山 

小豆こし餡を芯にしてそのまわりを黒胡麻入り白こし餡で包みまるめ餡玉にします。緑色に染めた煉切と小豆煉切を合わせぼかした生地で餡玉を包みまるめ、ヘタを付け、背中の中央に割れ目を入れ、中の餡を露出させ、あけびの実を写したお菓子です。 

 

果皮のなんとも絶妙な色合いに、黒胡麻を種に見立てた果肉がとてもリアルですね。 

 

山里の秋が深まり、木々の葉が色づき始めると、あけびが薄紫色の実をつけます。 

 

熟れると、厚い皮が縦に割れ、白色で半透明の果肉と、つやのある黒い多数の種子が顔をのぞかせます。

 

この果肉はやわらかくて甘く、とても野趣に富んでいます。子供のころはこの甘みを求めて、よく山に採りに行ったものでしたが、もうかれこれ40年以上も食べていませんね。 

 

田舎で生まれ育った私にとって、春の「イタドリ」、夏の「ヤマモモ」とともに、秋の「あけび」は毎年欠かせない貴重な山野の味覚でした。 

 

このお菓子を食べると、山中であけびを見つけた時の興奮と歓喜がしみじみとよみがえってきました。