· 

鈴虫(塩瀬総本家)

「鈴虫(すずむし)」黄身しぐれ製:塩瀬総本家 

淡い黄色の黄身餡をそぼろにして、大粒の大納言ひとつと小豆こし餡を包み、円柱状に固めます。さらに、上面に弧を描くような緑色の筋を付け、草に見立てています。 

 

夜空にぽっかりとあがった満月の夜、草むらで鳴く鈴虫を写したお菓子です。中に埋め込んだ大納言がほんのり透けて虫影に見えるのが趣深いですね。 

 

卵の香りがほんのりと立ち上がるまろやかな甘さがとても心地よいお菓子です。 

 

鈴虫は、すすきなどの草が茂ったところに生息し、夜になると下草の隙間などで鳴きはじめます。 

 

翅(はね)を垂直に立てて左右に細かく震わせ「リーン,リーン」と鈴を打ち振ったような音色を奏でます。 

 

平安時代からその声が貴族の間で愛され、虫かごで飼われていたそうです。