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桃若姫(源吉兆庵)

 

この小さい可愛らしい緑色の実は何だと思いますか? 

 

青梅やアンズの若い実のようにも見えますね。 

 

でも、違います。 

 

実は、桃の赤ちゃんなんです! 

 

桃の幼果で、小桃、幼果桃、グリーンピーチなどとも呼ばれています。 

 

桃の実を大きく美味しく成長させるためには、約8割もの幼果を間引くそうなんです。 

 

この間引かれた幼果を廃棄してしまうのはもったいないので、蜜漬けにし、そのまま食べたり、お菓子作りなどにも利用されています。 

 

「桃若姫(ももわかひめ)」餅製:源吉兆庵 

蜜煮したグリーンピーチを桃の餡で包み、さらに薄い半透明な餅生地で包みこみ、氷餅やオブラートの粉末をまぶしたお菓子です。 

 

全体に散りばめられた氷餅やオブラート粉末は、キラキラ輝く新鮮な桃の果皮のうぶ毛を表しているようですね。 

 

透けて見える中の餡の淡いクリーム色と相まって、白桃の姿にも見える美しい逸品です。 

 

断面の幼果桃の若々しい緑はまさに春色そのもの。

 

 

桃の香りが口中にふんわりと広がり、 噛むとサクッという食感とともに、爽やかな甘味がジュワッと広がります。 

 

種ごと蜜漬けされていますが、種の存在に気がつかないくらい柔らかく仕上がっていて、新感覚のとても美味しいお菓子でした。 

 

源吉兆庵さんは、季節季節のフルーツを和菓子の素材と合わせるのが実に上手いですね。 

 

桃の中から、桃太郎ならぬ桃若姫が登場するという菓銘も素敵です。