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芙蓉(森八)

「芙蓉(ふよう)」煉切製:森八 

薄紅色に染めた煉切で小豆こし餡を包み、茶巾絞り仕立てにて花形をかたどり、黄色いそぼろのシベを添えたお菓子です。 

 

これとほとんど同じ製法・意匠で、別の花を写した、同じく森八さんのお菓子があります。 

 

 

「山茶花(さざんか)」煉切製:森八 

薄紅色と白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、茶巾絞り仕立てにて花形をかたどり、黄色いそぼろのシベを添えたお菓子です。 

 

 

どちらのお菓子も抽象的な表現で、ざっくりとそれぞれの花のイメージを表現しています。 

 

一見同じように見えても、よく見比べてみると、花びらの色や形、絞りによってできるひだの長さや太さ、密度、くぼみの深さや位置、シベの配置などが微妙に異なっているのがわかります。

 

しかし、銘を伏せ、お菓子だけを見て何の花かを当てるのは至難の業ですね。 

 

このように、上生菓子の意匠はあえてあいまいに描くことで、季節季節でいろいろなものに見立てることができ、また、食べ手の想像力も刺激してくれるという楽しみがあるのです。 

 

和菓子創りに関わった人たちの気持ちをうまく読み取れるように味わうのが理想なのですが、そこまでいかなくても、とにかく見て、食べて感じることが大切だと思います。