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もらい水(森八)

「もらい水(もらいみず)」錦玉製:森八 

透明な立方体の錦玉のまわりを、黄色と白の二色に染め分けた煉切餡で四角く囲い、上に羊羹製の葉っぱと蔓(つる)を添えたお菓子です。 

 

ご存知、加藤千代女の俳句「朝顔に釣瓶とられてもらい水」より拝借した菓銘ですね。 

 

釣瓶の四角い桶の中に水が入っていて、それに朝顔の蔓(つる)が巻き付いている様子を写しています。 

 

中央部は空洞になっているように見えますが、ちゃんと錦玉が埋め込まれているのです。光の方向を変えると、錦玉が反射して水面が輝いているように見えます。 

 

 

ストレートな菓銘もよいですが、賞味する人が自由にイメージを思い描ける広がりのあるこのような菓銘もいいですよね。

 

でもこの「もらい水」という名前は、今や朝顔を主題にした上生菓子の定番の菓銘になってしまっていますから、なぞかけ的な意味合いはもうなくなっていますが。。。 

 

それでも、咲いている朝顔は何色なのか、一輪だけなのか、たくさん花をつけているのか?釣瓶は滑車式か、竿式か?今日はとりあえず隣家からもらい水をしてしのいだけれど、じゃあ明日はどうするのか?朝顔が枯れるまで待つのか?など、いろいろな空想が広がりますね。