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清滝川(甘春堂)

「清滝川(きよたきがわ)」錦玉製:甘春堂 

水底に転がる小石に見立てた密煮の大納言小豆と、道明寺羹やこなし生地で作った水草や浮き草、葉っぱ、魚を透明な錦玉羹の中に配した棹物菓子です。 

 

夏の陽射しを受けてきらめくせせらぎの一部をそのまま切り取ったような素敵なお菓子ですね。 

 

 

「水上青々翠(すいじょうせいせいたるみどり)」という禅語の一節が浮かんでくるような清々しい緑ですね。

 

 

横から見ると、大納言小豆が大名行列のように、きれいに連なっています。

 

 

中央には蔦や朝顔の葉の形に似た水草が浮かび、その周りを緑色の魚が泳いでいます。

 

一番奥の緑色のモヤモヤした部分は、柚子入りの道明寺羹で、藻を写しているように見えますね。

 

清滝川は、京都市北西の山合いをぬって流れ、やがて「保津川下り」で有名な保津川(桂川)に合流し、嵐山や京都市内を流れ、淀川と合流し、大阪湾に達する川です。 

 

清涼な水が滝のように激しく流れる川という、その名の通りの川で、その渓流沿いは紅葉の名所となっています。

 

 

そんな秋の紅葉を予告するかのように、季節外れではありますが、橙色と黄色にぼかし染めた楓を添えているのもおもしろいですね。 

 

錦玉の中に、深さを変えていろいろなものを入れる場合に、何層にも工程を分けて流し込むことで、みごとな立体感を作り出します。 

 

とても手間ひまのかかるお菓子ですが、その分、完成した時の作品の輝きがよりいっそう増しますね。