「天の川(あまのがわ)」錦玉製:大倉山青柳
枕形に固めた錦玉の一部分を藍色に染め、夜の天空に見立てます。その中に、黄色い煉切で作った星を散らし、その背景に白い目の細かい上南粉を敷き詰め、天の川を見事に描いています。
上南粉とは、道明寺粉の細かい粒をこがさないように煎った白い小粒の軽い粉のことです。
七夕といえば7月7日というのが今では定番になっていますが、実はもうひとつ七夕があります。
それは旧暦による七夕で、「伝統的七夕」ともよばれています。
昔から行われていた七夕は、月の動きを基準にした旧暦に基づいていました。旧暦は月の満ち欠けにより月日が決まりますから、現在の暦に当てはめた場合、旧暦の七夕の日付は毎年変わります。
現在七夕とされる7月7日頃は、ちょうど梅雨の時期にあたります。このため天候に恵まれないことが多い上に、七夕の主役となる星たちの高度も低く見えにくいため、今ひとつ盛り上がりに欠けます。
これに対して伝統的七夕の頃は夏空が安定しており、織姫星や彦星、天の川の高度も高くなって、それらがきれいに見える確率がとても高いのです。
新暦の七夕があいにく天気が悪く、星を見ることができなかったとしても、もう一度チャンスが残されています。