「七夕(たなばた)」羊羹製:鶴屋吉信
七夕にちなみ羊羹製の星を天の川を隔てて配した意匠棹物です。
七月七日、七夕の”七”にちなみ、七つの星を配しています。
その中でも、天の川を隔てて向かい合う、ひときわ大きく、金色に輝く二つの星は、それぞれ織女星(ベガ)と牽牛星(アルタイル)を表しているのでしょう。
織姫・彦星の年に一度の再会を、お菓子の夜空に、見事に描き出しています。
このお菓子の包装紙も素敵ですね。ここにも七つの星が輝いています。
そして、ひときわ大きく描かれている、ユニークな形の葉っぱは、梶の葉です。
梶の木は平安の時代から神聖な木とされ、神社の境内に植えられることが多く、神事に用いられたり、供え物の敷物に使われたりしています。
また、昔は、短冊ではなく、梶の葉の裏に、願い事や詠んだ七夕の歌を書いていたそうです。
王朝の宮廷では、七夕の日に、梶の葉を水に浮かべて、星に染織や芸能が上達するように願う行事が行われていたともいわれています。