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オリジナル上生菓子「蓮」完成!

 

130年前の和菓子の図案集を基に、木型を作成してオリジナルの和菓子を作るプロジェクトが進行中です。 

 

今回は「蓮(はす)」(仮名)のお菓子が完成しました。 

 

まずはオリジナルの図案(森 徳太郎 作)から見てみましょう。 

 

 

大きな蓮の葉を背景にして、中央に全開の白い花、左側に紅色のつぼみ、左上には出たばかりのまだ丸まっている蓮の葉、右下には束ねられた茎という構図です。 

 

これを基に木型を作成したのは、お馴染み、長野県の鈴木製作所さんです。

 

 

木型は左右が反転されているので、画像編集ソフトを用いて再度反転することで、元の図案と同じ向きにして比較してみました。

 

 

どうでしょうか?元の図案を最大限尊重しながら、木型職人さんの経験と勘による補正が加わり、さらに見栄えが良くなっていますね。 

 

この木型を用いてお菓子を作成したのは、こちらもお馴染みですが、横浜・野毛の老舗「もみぢ」さんです。

 

 

原図に忠実に、葉は緑、花は白、つぼみはピンクに、あと、原図にはないしべの部分は黄色に染め分け、中は小豆こし餡となっています。

 

きれいに上品にまとまっていますが、何か物足りない感じで、アクセントがほしいところですね。 

 

いろいろ考えましたが、蓮の葉に欠かせない露を加えることにしました。 

 

 

露のようにキラキラ輝くものといえば金箔や銀箔があります。 

 

思い立ったら即行動。幸い家から徒歩10分のところに製菓材料・器具専門店の「富澤商店」さんがあります。そこで食用銀箔を買ってきました。 

 

食用純銀箔「銀の舞」です。 

 

 

手でつまむと静電気でくっついてしまうので、付属の木製ピンセットを使ってふりかけます。 

 

銀箔は酸化しやすいため水周り・湿気の多い場所に置かないように、また、開封後はなるべく早めに使い切るように注意書きがあり、賞味期限まで明記されていました。ふむふむ、いろいろ勉強になります。

 

最初、適量がどのくらいかわからなくて、ついついたくさんかけすぎてしまいました。 

 

 

気を取り直し、今度は意識して極端に少な目にふりかけ、足りない分は少しずつ加えながら適量になるように慎重に調整しました。 

 

 

う〜ん、これでもまだしっくりきませんね。自分の思い描くイメージとちょっと違います。 

 

やはり露といえば寒天に登場願わないといけないようですね。 

 

そこで、今度は寒天ゼリーの素を買ってきて自分で作ってみることにしました。 

 

 

80度以上の熱湯に溶かしてよくかき混ぜ、型に入れて固めるだけなので簡単です。 

 

よくある手法ですが、固めた寒天を小さなさいの目状にカットして散らしてみました。

 

 

キラキラ輝く透明な寒天をちょこっと添えるだけでずいぶん雰囲気がよくなりましたね。 

 

今回たくさん寒天液を作ったので、さらにもう一歩踏み込み、ラップの上にスポイトを使ってしずくのように垂らし、本物の露の玉を作ってみました。 

 

大小いろいろなサイズでたくさん作り、固まってから、形の良いものを選んでお菓子の上に配しました。 

 

 

これが、大成功!本物の水滴のような質感。今にも葉の上をころころと転がりそうな臨場感。まさにイメージ通りですね。 

 

これをもって完成とします(^^♪ 

 

さてさて、最後のお楽しみ、命名です。 

 

・そのままズバリ、「蓮」「蓮の花」 

 

・ことわざから、「一蓮托生」「泥中の蓮」

 

・蓮の古名から、「はちす」 

 

・蓮の別名から、「水芙蓉(すいふよう)」「不語仙(ふごせん)」「池見草(いけみぐさ)」「水の花」

 

・季語から、「蓮華」「蓮池」「白蓮」「蓮の葉」「蓮の浮葉」「蓮見」 

 

・こよみより、「観蓮節(かんれんせつ)」(旧暦6月24日) 

 

・花言葉から、「清らかな心」「神聖」「雄弁」「沈着」 

 

・インドでの呼名から、「聖者の花」 

 

・蓮の品種から、「巨椋の白鳥(おぐらのはくちょう)」「西光寺白蓮(さいこうじびゃくれん)」「真如蓮(しんにょれん)」

 

・蓮の名所から、「不忍池」 

 

・ハスの花は開花するときポンと音がするという俗説から、「蓮の音」 

 

・松尾芭蕉の句「蓮の香に 目をかよはすや 面(めん)の鼻」より、「蓮の香」 

 

・英語から、「 lotus(ロータス)」 

 

たくさん候補がありすぎて、今回は迷いました。二転三転して、最終的にこちらで落ち着きました。

 

 

「蓮の露(はすのつゆ)」煉切製:上生菓子図鑑/もみぢ 

 

何度も試してはやり直し、納得のいくまで時間をかけて追い求めたリアルな「露」に敬意を表し、この菓銘にしました。