「鶯餅(うぐいすもち)」餅皮製:両口屋是清
舌触りなめらかな餅皮で小豆つぶ餡を包み、うぐいすがうずくまる姿に整え、青大豆きな粉をたっぷり振りかけたお菓子です。
二月といえば梅、梅と言えば鶯、そして鶯といえば鶯餅ですよね!
梅の花の香りにつられて飛来する鶯にちなんだ可愛らしいお菓子で、この時季、絶対にはずせない一品です。
お餅の両端をちょんとつまみ、くちばしとしっぽに見立て、羽色に似せた青きな粉もよく活きています。
まぶす粉の種類としては、一般的な黄色いきな粉を用いたものもありますし、珍しいところでは青海苔粉や青えんどう豆の粉をまぶしたものもあるようです。
食べる時には、きな粉をできるだけこぼさないように、細心の注意を払いながらそろりと持ち上げますが、マシュマロのようにやわらかい生地に指が吸い込まれるように埋もれていきます。
口に含むと、まずきな粉の香りがふわりと広がり、それを追いかけるように小豆の豊かな余韻が残ります。
ひと口ひと口と食べるたびに、まるで「森のくまさん」を輪唱するようにきな粉と小豆の風味が追いかけっこする感覚が楽しい逸品ですね。