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松に梅

「松に梅(まつにうめ)」煉切製:秋色庵大坂家 

小豆煉切を緑・白・赤に染め黄身餡を包み、木型で松と梅を描き、梅のしべに見立てた黄色いそぼろを添えたお菓子です。 

 

雪の中でも緑を保ち、雄々しくそびえる松と、寒中に凛として開花する梅の花を見事に融合した逸品ですね。

 

松竹梅はおめでたいものとして、お正月や慶事に欠かせませんが、その中から、松と梅を同時に味わえる貴重なお菓子です。 

 

 

松は神が依りつく樹として古代より崇められ、また、常緑であることから長寿のシンボルにもなっています。

 

一方、梅の花は花弁が五枚あることから、中国では「梅花五福を開く」といい、五つの福があると言われてきました。

 

つまり、一. 寿命が長い、二. 裕福である、三. 健康である、四. 人徳がある、五. 天命を以て人生をまっとうするの五福です。 

 

ひとつのお菓子で、松の生命力と、梅の五福にあやかれ、中から出てくる黄身餡の黄金色が輝かしい希望をも与えてくれる贅沢な逸品ですね。