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紫陽花(栗山)

「紫陽花(あじさい)」きんとん製:栗山 

薄紅色と黄緑色に染め分けたそぼろを餡のまわりに植え付けます。さらに、空色やピンク色に染めた煉切で花をかたどったものをいくつか添えます。最後に、賽の目の錦玉を散らして、雨に濡れながらも華やかに咲く紫陽花を写しています。

 

4枚の花びらのように見える部分は、実は花ではなく、正確には萼(ガク)にあたるところで、実際の花はその中心にある黄緑色の小さな点のような部分なのです。

 

さて、今月は、6月の代表花であり、梅雨の花でもある紫陽花にスポットを当てて、いろいろなデザインのものを、できるだけたくさん紹介したいと思います。 

 

紫陽花をテーマにした上生菓子は30種類ほど集めましたが、その中でもとりわけ色使いが明るく、絵本の中に出てきそうな可愛らしいお菓子がこれです。 

 

梅雨空よりも春風が似合いそうな、翳りや憂いとは無縁の、朗らかな紫陽花ですね。 

 

このようなパーツの細かい意匠のお菓子をいただく時に、黒文字で端から切っていくと、錦玉が転がっていったり、せっかくの花びらが分断されてしまったりするのが忍びなく、行儀が悪いですが、先に錦玉を拾い集めて食べ、さらに花びらだけ摘み取って食べ、最後に丸裸にされたきんとんを食べるということを、ついついやってしまいます(笑)。