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吉祥椿(鶴屋吉信)

「吉祥椿(きっしょうつばき)」焼皮製:鶴屋吉信 

おめでたい紅白にぼかし染めた焼皮で小豆つぶ餡を包み、6枚羽の風車のように折りたたみます。さらに、中央に煉切製の花芯を添え、椿の姿を表現したお菓子です。

 

吉祥とは、よい前兆、めでたいきざしという意味です。

 

椿は「木」に「春」と書くように、文字通り春を待つ花として季節感を表現する際に良く使われる題材です。早春に咲く鮮やかな赤い花は、厳しい冬の寒さに終わりを告げる花でもあります。 

 

椿は花が一塊になって首が落ちるように散るので、不吉なイメージがありましたが、この菓銘の「吉祥椿」をみて、驚きました。 椿にもおめでたい意味があったのですね。 

 

いろいろ調べてみると、やはり、椿の花は首が「ぽとり」と落ちる事から武士にとっては、不吉であると嫌われ、家紋に使われる事は避けられてきたようです。 

 

でも、松や杉のように、冬でも枯れない常緑樹の多くは神聖視され、神社仏閣の御神木としても尊ばれ、椿も同じ常緑樹であり雪の中でさえも花を咲かせることから、吉祥の木と考えられていたといいます。