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節分の上生菓子三趣

 

今日は節分ですね!

 

「鬼は外、福は内」と、豆まきをして、西南西の方角を向いて恵方巻を食べ、そして美味しい和菓子をいただきましょう。 

 

「追儺・鬼(ついな・おに)」きんとん製:鶴屋吉信 

朱色に染めたそぼろを小豆つぶ餡のまわりに植え付け、ごぼうの甘煮で作った角を添えたお菓子です。 

 

鬼の意匠は煉切で写実的に表現することが多いですが、きんとんを使ったのは正解ですね。メラメラ立ち上る妖気を感じさせる意匠です。 

 

追儺(ついな)とは、大晦日(旧暦)の宮中の年中行事であり、平安時代の初期頃から行われている鬼払いの儀式のことです。 

 

節分は年神様が入れ替わる節であり、入れ替わりの隙をついて鬼が入り込もうとするので、豆をまいて鬼を追い払います。 

 

「福和内(ふくわうち)」煉切製:福島家 

煉切で小豆こし餡を包み、お多福さんの顔を木型で抜いたお菓子です。目は焼印で、頬っぺたは淡紅色の羊羹で描いています。 

 

ふっくらとした頬の、愛嬌ある顔を見ていると、自然と笑みが浮かんできますね。菓銘も「福は内」とせずに、「は」を「和」に変えているのも、よりご利益が増しそうです。

 

「升(ます)」煉切製:鈴懸 

豆まきの時に使用する升の豆入れ箱を芸術的に写したお菓子です。中には豌豆(えんどう)と大納言がたっぷりつまっています。 

 

年齢より1つ多い数の豆を食べて厄除けをしましょう。