· 

「菊家」さん

 

東京の青山(表参道)にある「菊家」さんに今日、初訪問してきました! 

 

昭和10年創業の和菓子屋さんで、季節の上生菓子に重点をおいている正に理想的なお店です。

 

現在の店主は二代目ですが、父親である先代が若くして急逝したため、何の修行もしないで突然後を継ぐことになり、父親の残したレシピだけを頼りに、作っては母親が毎日厳しく味をチェクするという方法で大変な苦労をされて菊家の伝統の味を引き継いだそうです。

 

よその店で修行する方法もあったそうですが、よそへ行くと、菊家の味と他店の味が混ざってしまうといけないという理由で、独自で菓子作りを修めたといいます。

 

そのため、ここの上生菓子は意匠も味も他店にない独特の世界感があって、なかなか魅了的です。

 

 

今日の上生菓子は全部で15種類もあり、どれもデザインが素敵だし、とっても美味しそうで、とても数個に絞ることができずに、結局全種類買ってしまいました。 

 

まるでペットショップで目が合ってしまったワンちゃんのように、どのお菓子も、「買ってちょうだい」「すごく美味しいよ」と言っているようで、買わずにはいられなくなったのです。

 

 

ここの上生菓子の特徴は、童話の世界のようにファンタジーにあふれた温かみのある意匠、手作り感のある親しみやすい風合いですね。

 

 

菓銘をメモしていたら、女将さんが気をきかせて、箱に達筆で菓銘を書いてくれました。

 

クリスマスにちなんだお菓子を、和菓子店の中で最初に始めたのがこの菊家だといわれる元祖クリスマス上生菓子店なので、今日はまず、聖夜にちなんだ上生を紹介します。

 

 

6種類の製法で、6通りの聖夜の光景を見事に表現しています。まるで絵本を読んでいるような世界観をお楽しみください!

 

「聖樹(せいじゅ)」薯蕷製 

 

「ベル」錦玉製 

 

「クリスマス」桃山製 

 

「聖樹(せいじゅ)」淡雪羹製

 

「サンタさん」煉切製

 

「雪景色」きんとん製 

 

 

店構え、上生菓子の種類の多さ、素朴で夢あふれる作風、素材の風味がよく生かされた自然な味わい、お店の人の感じのいい応対など、どの点においてもとても満足のいく名店です。今後毎月通うことになるでしょうね。