今日は、大阪の谷町六丁目、はいからほり商店街にある御菓子司「梅乃餅（うめのもち）」さんを紹介します。
お菓子の名前がそのまま屋号になったような店名ですが、このお店の商品に「梅乃餅」というお菓子はありません。創業は明治時代。
昔懐かしいレトロな商店街を散歩中に偶然見つけたお店です。
この店のモットーは、自然の味を大切にするため、保存料は一切使用しないこと。伝統を残しつつも、新しいアイデアを考え、和菓子を若い人たちにも親しんでいただけるよう工夫を凝らすこと。食べると心が和み、見た目も楽しめる和菓子創りを目指すこと。
では、一月の上生菓子6点をご覧ください。
「梅（うめ）」こなし製：梅乃餅
梅の花びらが蕊を囲うように取り巻いている様子をさじ切技法で単純明快に表現。
「福梅（ふくうめ）」求肥製：梅乃餅
紅白に染め分けた求肥生地をキャンバスに、グラス絞り羊羹で梅の枝と花を表現。
「鶴（つる）」羽二重餅製：梅乃餅
抽象的でシンプルだが、一目で鶴とわかる洗練された意匠。鶴を主題にした上生は10種類集めましたが、その中で一番気に入っている作品。
「優駿（ゆうしゅん）」こなし製：梅乃餅
今年の干支である午（馬）の愛嬌ある姿を手技で表現。
「花水仙（はなすいせん）」求肥製：梅乃餅
茶巾絞り仕立てにして、水面が波打つ様子をあらわしているように見えます。水辺の水仙を写していると思われます。
「若竹（わかたけ）」こなし製：梅乃餅
これも簡素でわかりやすい意匠です。6種類の中で一番好みの味。