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黄菖蒲(森八)

「黄菖蒲(きしょうぶ)」煉切製:森八 

黄色と白にぼかし染めた煉切で餡を包み、手わざで三次元的にあやめの形を作ります。最後に、緑色に染めた煉切製の細長い葉を添えて黄菖蒲を写しています。 

 

黄菖蒲は、あやめや花菖蒲と同じアヤメ科アヤメ属の植物で、5〜6月に開花します。

 

海外から持ち込まれ、明治頃から栽培されていたものが日本全国の水辺や湿地などに自然に広がり、野生化しています。 

 

この黄菖蒲、水辺に群生する姿は華やかで美しいのですが、繁殖力が非常に強く、在来種と競合したり、希少種を駆逐してしまう恐れがあるという理由で、環境省の「要注意外来生物」に指定されているのです。 

 

しかし、花菖蒲には黄色系の花がないため、その貴重性から日本では重宝され、このようにお菓子の主題になったり、生け花として飾られたりしていますが、海外では、やたらと繁茂するため、雑草扱いにされているようです。