「桜(さくら)」煉切製:松むら
橙紅色と白に染め分けた煉切に千筋をつけ、餡を巻き包み、桜花をひとひら添えています。白い煉切生地には黒胡麻が練りこまれていて、所々黒い点状に透けて見えるのが印象的です。
このお菓子の特徴は、オレンジ色に近い独特の紅色です。この色は桜花の色というより、秋になって紅葉した桜葉の色に近いイメージですね。
桜の花の色といえば、白や薄紅色が一般的ですが、なぜこのような独特の色になったのでしょうか?
夕日に照らされ、橙色に輝く桜を表現したのでしょうか?それとも、朝日を浴びてオレンジ色に染まっているのでしょうか?
桜の爽やかなイメージからすると、夕刻よりも早朝の方が似合いますね。
明け方は、日光の色合いが刻々と変化してゆきます。朝焼けの茜色の空を背景に、桜花が黄金色に染まっている様子が目に浮かびます。
早朝の散歩中に偶然見つけたオレンジ色の桜に、しばし足を止め、見入っているようですね。
朝日を浴びてオレンジ色に輝く桜