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初音(鶴屋吉信)

「初音(はつね)」薯蕷製:鶴屋吉信 

 

その年最初に鳴く鶯(うぐいす)の声を初音(はつね)といいます。 

 

また、鶯に限らず、時鳥(ほととぎす)や雁(かり)、鹿の鳴き声、虫の音なども初音ということがあります。

 

特に江戸時代は仏教が人々の生活の中で大きな地位を占めていたため、“法華経(ホケキョウ)”と鳴く鶯は霊鳥として珍重されたそうです。 

 

厳しい冬が終わり、あたたかい春の訪れを告げる鳥として、古くから人々に親しまれてきただけあって、鶯の別称もたくさんあります。 

 

「春告鳥・報春鳥(はるつげどり)」「春鳥(はるどり)」「経読鳥(きょうよみどり)」「歌詠鳥(うたよみどり)」「黄鳥(こうちょう)」「匂鳥(においどり)」「花見鳥」「人来鳥(ひとくどり)」「百千鳥(ももちどり)」「金衣公子(きんいこうし)」など。 

 

また、取り合わせが良い二つのものの例えとして 

 

「梅に鶯」という言葉があります。 

 

梅は春を待ち望む人々にやさしく咲きかけ、鶯は美しい声で歌い春の訪れを伝えてくれる。この二者を取り合わせることはこの上もなく春の雰囲気を盛り上げてくれますよね。 

 

この「初音」のお菓子は、紅白に染め分けた薯蕷饅頭で紅白の梅を表し、その上に鶯を描いています。中は黒漉し餡です。