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のりこぼし(栗山)

「二月堂お水取り のりこぼし(にがつどうおみずとり のりこぼし)」煉切製:栗山 

白い煉切で餡を包み丸め、そのまわりを白二枚、紅三枚の煉切製の花びらで取り囲み、花芯の部分には黄色に染めたそぼろを添えています。 

 

非常に長い菓銘ですが、この中にある「のりこぼし」とは、椿の名前です。漢字で書くと、糊をこぼすという意味で、「糊こぼし」。

 

大仏で有名な奈良の東大寺の開山堂にある椿がこの「糊こぼし」です。糊をこぼしたかのように紅色地に白の斑点があるところからこの名前が付いたそうです。 

 

この椿は伝香寺の"ちり椿"、白毫寺の"五色椿"と合わせて奈良の三名椿(さんめいちん)とも言われています。 

 

ただ、残念ながら開山堂は国宝のため、その庭は非公開で、この椿も直接見る事はできません。 

 

東大寺二月堂で、毎年3月1日から14日まで行われる伝統行事「お水取り」の際に、この「糊こぼし」の椿をかたどった造花が二月堂内に飾られます。 

 

(日々好日よりお借りしました)

 

作るのは修行僧たちで、紅と白の花弁を黄色いめしべの周囲に交互に付けて作られます。この造花の椿をモチーフにしたのが今日のお菓子です。

 

 

紅白のコントラストが美しく、とろけるようにやわらかい口溶けの生地がとても上品な甘さで、まさに季節を感じ楽しむための和菓子ですね。 

 

お水取りがあるといよいよ春の訪れを感じられるようになります。 

 

のりこぼし (和みの庭よりお借りしました)