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彩色の珠(両口屋是清)

 

クリスマスから始まり、バレンタインやハロウィンなど、欧米の風習がつぎつぎに日本に取り入れられすっかり浸透し、今やそれにちなんだ和菓子まで普通に売られる時代になりましたが、最近イースターが注目されているようですね。

 

今年は4月16日がそのイースターに当たる記念日だったそうです。 

 

「イースター」は復活祭を意味し、処刑されたイエス・キリストが死後三日後に復活したことをお祝いする日で、キリスト教においてはとても重要な日とされています。 

 

このお祝いに欠かせないのが「イースターエッグ」です。

 

これは殻に色を塗るなどして 美しく彩色したり、きれいに飾り付けされたゆで卵のことです。 

 

 

卵は生命の象徴であり、また、ひよこが卵の殻を破って誕生するように、キリストも死という殻を破って復活したという意味が込められているそうです。 

 

このイースターエッグをテーマに作られた和菓子を見つけました。 

 

「彩色の珠(さいしょくのたま)」錦玉・羊羹製:両口屋是清 

一番下は小倉羊羹、その上にレモン果皮入りのレモン羊羹、その上に珍しい福白金時豆が使われている白餡羊羹、さらにその上に錦玉羹が配置された棹物菓子です。錦玉羹の中には、羊羹で作られたカラフルなイースターエッグが三つ入っています。 

 

 

福白金時は北海道で栽培されているインゲン豆の白金時の一種で、大正金時と同じような楕円形で表皮全体が白いのが特徴です。 

 

もともと白金時は和菓子の白餡の需要に応えるために研究栽培されたものですが、大正金時などと違って栽培が難しく収穫量も安定しないため、現在ではあまり作付されていないそうです。 

 

(出典:http://shop.suzuya-rice.com/?mode=grp&gid=495157) 

 

 

今回初めてイースターにちなんだ和菓子に出会いましたが、さすが両口屋さんですね、お得意の棹物で見事に表現しています。 

 

それぞれ特徴のある4つの層がうまく融合し合い、まさにイースターにぴったりな楽し気な味のハーモニーを奏でていましたね。 

 

クリスマスやハロウィンと比べるとまだまだ認知度の低いイースターですが、果たして日本で定番イベント化するのか、私としては、和菓子のレパートリーが増えるのは大歓迎ですので、来年以降も動向を見守っていきたいと思います。